本日は9月14日から大阪中之島美術館で開催される【TORIO パリ・東京・大阪 モダンアートコレクション】の予習編と題して、今回の展覧会の出展拠点となっておりますパリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館についてご紹介します。
【TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション】についての概要はこちらの記事をご覧ください。
3つの美術館について
パリ市立近代美術館
パリの中心部の喧騒から少し離れた16区にパリ市立美術館はあります。【パレ・ド・トーキョー】というセーヌ川に面した現代アート専門の美術館の中にあります。
【パレ・ド・トーキョー】はジャン・クロード・ドンデルとアンドレ・オベールの設計により、パリ市立近代美術館と国立近代美術館を1つの建物に収容するために建てられました。元々は1937年のパリ万博の際に作られた美術展示館でしたが、2002年に再オープン。
現在ではパリ市立近代美術館のみがこの建物に残り、【パレ・ド・トーキョー】の東翼に位置しています。
パリ市立近代美術館のコレクションには、パブロ・ピカソ、マルク・シャガール、アメディオ・モディリアー二など、1920年代から現代までのアーティストたちの15,000点を超える作品が収蔵されています。
またこれらの有名な常設展示は無料で鑑賞する事ができます。文化芸術を重んじる価値観のあるフランスではARTとの距離を身近にするこういった取り組みにより、子供の頃から自然とARTの教養が身につくようになっているようです。
セーヌ川のほとりにあり、展示室たカフェからはエッフェル塔を眺める事もできパリを訪れる際には足を運んでみたい場所です。
東京国立近代美術館
1952(昭和27)年12月1日、東京国立近代美術館は日本で最初の国立美術館として中央区京橋に開館しました。建築家の前川國男氏が設計・改装した旧日活本社ビルを建物に、かねてより待望されていた同時代の美術をいつでも見ることのできる国立の展示施設が誕生しました。
開館当時から近代美術史の歴史形成を念頭に作品収集や展覧会を行いつつも、「現代美術の実験」展(1961年)など、同時代美術の動向とも並走してきました。
所蔵作品の増加と企画展の拡充などにより、たびたび改修工事を行ってきましたが、コレクション展示が次第に制約されるようになったことから、美術館の移転が検討されることになり、1969(昭和44)年、千代田区北の丸公園の現在地に、建築家谷口吉郎氏設計による新館が開館しました。
2022年12月1日に開館70周年を迎えました。
最大の特徴は、重要文化財18点を含む13,000点を超える国内最大級のコレクション。19世紀末から今日までの美術作品を収集しています。
収集対象は、絵画、版画、水彩、素描、彫刻、写真、映像、書、及び関連する資料などの多分野にわたり、近現代の日本の作品を中心としながら、同時代の海外作品も積極的に収集しています。
コレクションは年間約250点が国内外の美術館に貸し出され、展覧会の核となる作品として活用されています。
「MOMATコレクション」展は、19世紀末から今日に至る日本の近現代美術のながれを海外作品も交えてご紹介する、国内最大規模のコレクション展示です。さまざまなテーマのもと、年5回程度入れ替えながら常時200点ほどを展示しています。
大阪中之島美術館
2022年2月2日、中之島に美術館が誕生。ですが美術館建設の準備室は1990年には発足されいたので開館準備に30年の月日をかけて建設されました。バブルと呼ばれた時代に産声を上げ、その後の大きく厳しい社会変化を乗り越えての開館です。
開館準備に時間を費やした結果、作品収集は充実し佐伯祐三作品群の受贈に始まり、アメデオ・モディリアーニやルネ・マグリット、フランク・ステラなど、時代を画したアーティストの代表作の購入、さらには市民から多数の寄贈が集まり、今では5700点を上回る国内有数のコレクションを形成する美術館となりました。
大阪中之島美術館の建築の核となる思想は「パッサージュ」です。
「パッサージュ 」とは、フランス語で歩行者専用のアーケードで囲われた通路や自由に歩ける小径のこと。大阪市が「パッサージュ」を「展覧会入場者だけでなく幅広い世代の人が誰でも気軽に自由に訪れることのできる賑わいのあるオープンな屋内空間」として提案を求めました。
大阪中之島美術館は美術館に興味がある人も、ない人も、誰もが自分の「居場所」を見い出せるような存在となる場所を象徴して作られています。
おわりに
今回は【TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション】の出展美術館についてのご紹介でした。
美術館それぞれの特徴や歴史を知っていくと、個人的にはより展覧会に足を運ぶのが楽しみになってきました。機会があれば実際それぞれの美術館にも行ってみようと思います。
展覧会をより楽しめる事前情報として参考になれば幸いです。
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